番外「DeepSeek の実力と問題点」

天孫族考番外「DeepSeek の実力と問題点」

目下、ネット上では(のみならず新聞紙上でも)DeepSeekというAI検索エンジンが話題をさらっている。

>>1月20日(日本時間)に登場した大規模言語モデル「DeepSeek-R1」に、AI開発者やユーザーたちが驚いている。中国のスタートアップDeepSeekが開発したこのモデルは、分野によっては米OpenAIの「o1」に匹敵するとうたう性能が特徴。モデルは無料でダウンロードも可能で、商用利用も認められている。

DeepSeek(ディープシーク) 起業家の梁文鋒氏が2023年に中国の浙江省杭州市で設立した。25年1月20日に発表した最新の生成AIモデル「R1」が、米オープンAIの「チャットGPT」など米国製をしのぐ高性能AIを10分の1以下の費用でつくったとして注目されている。梁氏はAI研究で知られる浙江大学出身。<<

新聞などでも、1月29日くらいから、Deep Seek関連ニュースを大きく取り上げている。

というのも、株式市場を襲ったディープショックの大きさが凄まじかったからだ。

>> エヌビディア(世界的半導体メーカー)はGPU市場の8~9割という圧倒的なシェアを手にしている。企業の時価総額で見ても、iPhoneで知られるアップルと世界一を争っていると言えば、その凄さがお分かりいただけるだろう。

そのエヌビディアを1月27日、大きな衝撃が襲った。同社の株価が1日で17%も下落したのである。時価総額にして、実に約5900億ドル(約92兆円)が1日にして失われてしまった計算になる。

なぜAI時代の根幹を担うと言っても過言ではないエヌビディアの評価が、これほど急速に下がってしまったのか。その答えは、今回の出来事に付けられた名前──「ディープ(シーク)・ショック」にある。<<

この影響で、アメリカのAIの開発企業に投資していたIT関連企業の株も連鎖暴落したのである。

以前私はChatGPTは、古代史研究にはまだまだ使えないことを論考したが、何とDeepSeekはそこそこ使えるという感触だ。

論より証拠、以下のチャット型検索を閲覧してほしい。

これを見ると、古代史研究会にも過去にさんざん話題になったテーマを、過去ログを参照もせずに、聞いてくる新入会員がいるが、そういう人なら、せいぜいDeepSeekでの回答レベルで十分だろう。いや期待水準以上であろう。→と言っても、決して私がDeep Seekを推奨しているわけではない。理由は後述する。

では実際の例を掲載しよう。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Qは私の設定した問いかけ。Aはそれに対するDeep Seekの回答である。

◯青銅鏡の起源地について質問してみた

Q)古代に於ける青銅鏡の起源の地は、世界の何処の地域なのでしょうか?

中国説、中央アジア説、メソポタミア説、アナトリア説、エジプト説などがあるようですが。

A) 古代の青銅鏡の起源については、いくつかの説が存在しますが、最も有力なのは**中国説**です。

### 1. **中国説**

   - **根拠**: 中国では紀元前2000年頃の青銅器時代から青銅鏡が作られており、特に殷(商)時代(紀元前1600年頃~紀元前1046年頃)には高度な技術で青銅鏡が製造されていました。中国の青銅鏡はその後、東アジア全域に広がり、日本や朝鮮半島にも影響を与えました。

   - **考古学的証拠**: 中国の遺跡からは、世界最古の青銅鏡の一つとされるものが発見されており、これが青銅鏡の起源とされる重要な証拠となっています。

### 2. **中央アジア説**

   - 中央アジアでも青銅器文化が発展しており、青銅鏡の製造が行われた可能性がありますが、中国に比べると考古学的な証拠は少なく、起源地とするには不十分です。

### 3. **メソポタミア説**

   - メソポタミアは青銅器文化が早くから発展した地域ですが、青銅鏡の製造に関しては中国に比べて明確な証拠が少なく、起源地とする説は弱いです。

### 4. **アナトリア説**

   - アナトリア(現在のトルコ)も青銅器文化が栄えた地域ですが、青銅鏡の起源としては中国に比べて証拠が乏しいです。

### 5. **エジプト説**

   - エジプトでは青銅器が使用されていましたが、青銅鏡の製造に関しては中国に比べて明確な証拠が少なく、起源地とする説はあまり支持されていません。

   --------------------------------------------

   - ※鈴木割り込み注釈)これはDeepSeekが中国製アプリであり、その事前学習文献も中国の物が多かったからか、情報が“中国贔屓”になっている。このエジプト起源説については、考古学的資料も多い。従って、DeepSeekの検索結果も割り引いて見なければならない!エジプト起源説についてはこの文末で、他の情報源からの情報を見直すことにする。

 --------------------------------------------

### 結論

現在の考古学的な証拠に基づくと、青銅鏡の起源は**中国**であるとする説が最も有力です。中国の青銅鏡は技術的にも文化的にも高度な発展を遂げ、その影響は東アジア全域に及びました。他の地域でも青銅鏡が作られていた可能性はありますが、起源地としての証拠は中国に比べて不十分です。

Q) 三星堆の青銅器文化の遺物にも青銅鏡がありますか?

A) 三星堆遺跡(中国四川省広漢市)は、紀元前12世紀から紀元前11世紀頃の古代蜀文明を代表する遺跡で、独特で高度な青銅器文化で知られています。三星堆からは多くの驚異的な青銅器が発見されていますが、**青銅鏡はほとんど見つかっていません**。

### 三星堆の青銅器文化の特徴

- **青銅製の仮面や立像**: 三星堆で最も有名なのは、巨大な青銅製の仮面や立像です。これらの仮面は非常に独特なデザインで、当時の宗教的または儀式的な役割を担っていたと考えられています。

- **青銅製の神樹**: 「青銅神樹」と呼ばれる精巧な青銅製の樹木も発見されており、古代の宇宙観や信仰を反映しているとされています。

- **その他の青銅器**: 武器や装飾品、祭祀用の道具なども多く出土しています。

### 青銅鏡の有無

- **青銅鏡の欠如**: 三星堆遺跡からは、中国の他の地域(例えば殷墟)で見られるような典型的な青銅鏡はほとんど発見されていません。これは、三星堆文化が他の中国の青銅器文化とは異なる独自の発展を遂げたことを示唆しています。

- **鏡状の遺物**: 一部の遺物は鏡のような形状をしているものの、これらは装飾品や祭祀用具としての役割が強く、実用的な鏡として使用された証拠はありません。

### 結論

三星堆の青銅器文化は非常に独特で、青銅鏡はほとんど見つかっていません。このことから、三星堆文化は青銅鏡を重要な道具として使用しなかったか、あるいは他の地域とは異なる文化的・技術的背景を持っていたと考えられます。青銅鏡の起源や発展については、中国の他の地域(特に中原地域)が主要な役割を果たしたとされています。

Q)古代中国の戦国時代の斉の国が青銅鏡製造の中心地の一つだという説を読みましたが、これは真実でしょうか?もしそうなら斉の地理的環境(原料の入手先があったとか精錬鍛冶集団の集住とかなど)の何がその理由でしょうか?

A) 古代中国の戦国時代(紀元前5世紀~紀元前3世紀)において、**斉**の国が青銅鏡製造の中心地の一つであったという説は、考古学的な証拠や歴史的な記録からある程度支持されています。斉は現在の山東省一帯に位置し、その地理的・経済的な条件が青銅鏡製造の発展に寄与したと考えられます。

### 斉が青銅鏡製造の中心地となった理由

1. **豊富な資源**:

   - **銅と錫の産地**: 青銅器の製造には銅と錫が必要ですが、斉の周辺地域にはこれらの鉱物資源が豊富でした。特に山東省は古代から銅の産地として知られており、青銅器製造に必要な原料を容易に調達できました。

   - **鉄資源**: 戦国時代には鉄器の使用も広がりましたが、斉は鉄の産地でもありました。鉄の精錬技術が発展していたことで、青銅器製造にも高度な技術が応用された可能性があります。

2. **技術集団の存在**:

   - **職人集団**: 斉には高度な技術を持つ職人集団が存在し、青銅器製造に特化した工房が発展していました。これらの職人たちは、青銅鏡の製造においても精巧な技術を駆使し、高品質な製品を生み出しました。

   - **技術の伝承と革新**: 斉は文化的にも経済的にも発展した地域であり、技術の伝承と革新が活発に行われていました。これにより、青銅鏡の製造技術もさらに洗練されていきました。

3. **交易と経済的繁栄**:

   - **海上交易**: 斉は渤海と黄海に面しており、海上交易が盛んでした。これにより、他の地域との交易が活発に行われ、青銅鏡などの製品が広く流通しました。

   - **経済的繁栄**: 斉は戦国時代において経済的に非常に繁栄しており、手工業や商業が発展していました。この経済的基盤が、青銅鏡製造の中心地としての地位を支えました。

4. **文化的要因**:

   - **文化的中心地**: 斉は文化的にも重要な地域であり、学問や芸術が発展していました。青銅鏡は単なる実用品ではなく、宗教的・儀式的な意味合いも強かったため、文化的な背景が製造を促進したと考えられます。

### 結論

斉が青銅鏡製造の中心地の一つであったという説は、その地理的環境や経済的・文化的条件から十分に裏付けられます。豊富な資源、高度な技術を持つ職人集団、海上交易による経済的繁栄、そして文化的な背景が、斉を青銅鏡製造の中心地として発展させた主要な要因でした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

以上の経過を見れば、DeepSeekの実力は、確かに侮り難いと思える。

批判精神を持たないと、うっかりこの記述を鵜呑みにしてしまいかねない。

青銅鏡の起源については、中国発祥説は、未確定なのである。そこのところをこれから検証してみたい。

疑問を感じたのは、過去に私がベネチュアに旅した時に、ベネチュアングラスに関わって、ガラスの鏡に先行する青銅鏡の起源についての説明ガイドを読んでいたからである。

◯青銅鏡のエジプト起源説

Wikipediaの銅鏡についての記述ではニュートラルな記述となっている。

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古代中国に起源をもち、日本や朝鮮など東アジアで広く使用された。古代エジプトにおいても、青銅製の鏡を用いた事例がある。

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ネット上には次のような記事も見られる。

最初は鏡の販売を行なっている某商店のものだ。

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【鏡の歴史】

https://maison-du-marche.com/topics/12691/

ヨーロッパにおける鏡の起源は正確には明らかではありません。

金属器時代の初めにオリエント地域で製作が始められたとされています。

現存する金属鏡で最も古いものは、

エジプトの第6王朝(紀元前2800年)の鏡があります。

金属種は、銅を主体とした合金で銅鏡と呼ばれています。現在の手鏡によく似た形をしています。

古代の鏡は黒曜石や金、銀、水晶、銅、青銅などの原板を研磨して反射面としたもので、ほとんどが化粧用でした。

エジプトでは紀元前3000年ごろから、女性はすでにアイシャドーやアイライン、頬(ほお)紅、口紅などの化粧をしていました。

古王国時代の墳墓からも整った鏡が発掘され、第11王朝の浮彫りには、柄鏡(えかがみ)を手にした王女が描かれています。

その多くは鏡面の丸い柄鏡で、板の部分は金属、木、象牙(ぞうげ)などでつくられ、神像、人物像、動物、パピルスやロータスなどのナイルの植物でかたどられています。

ローマ時代の鏡は豪華な装飾を施した鏡が多く、壁画からも女性たちがそうした手鏡を用いたことが描かれています。

上流社会では銀製の鏡もみられるが、これは容姿を映すという機能に加えて、財産的価値も求められていたことを示すものでした。

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柄付き鏡(柄鏡)はヨーロッパで一般的な形状であり、中国や日本のように鏡台に据えたり紐で吊るしたりするのは一般的ではなく、後には大きい物は壁に固定する形のものが主流となったようだ。

また、鏡(ガラス製)の製造業者のWEBサイトには以下のような詳しい記述があった。

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日建工業

https://italian-mirror.co.jp/column/detail/20240918090210/

☆鏡製造技術の起源と古代エジプトの影響

鏡製造技術の起源を辿ると、古代エジプトがその一つの発祥地であることがわかります。エジプトの技術は、その後の古代文明に大きな影響を与えました。彼らは金属を用いた鏡を初めて量産したことで知られています。この時代における鏡製造の技術は、後のギリシャやローマへと伝播し、鏡の製造方法に革新をもたらしました。特に、エジプトの高度な金属加工技術は、他の地域でも応用され、その美しさや機能性が評価されました。この影響は、やがてガラスを使った鏡の登場に繋がり、今日の鏡製造の基礎となっています。

☆金属鏡の製造技法とその発展

古代における鏡製造は、金属素材を磨くことから始まりました。特に銅や青銅が主要な素材として用いられ、その表面を丁寧に磨き上げることで反射面を作り出していました。この製法は、金属の硬度や光沢を活かし、耐久性のある鏡を生み出しました。時代が進むにつれ、技術革新により金属鏡の製造方法も進化し、装飾技術が加わることで、より美しい製品へと発展していきました。このように、金属鏡の製造技術は単なる実用性を超え、装飾品としても重要な役割を果たすようになったのです。さらに、この技術の進化は、後にガラス鏡の製造技術にも影響を与えることとなり、新たな素材や技法の探求を促進しました。

☆古代エジプトの鏡製造に見る文化的背景

古代エジプトでは、鏡は単なる実用品を超え、宗教的儀式や日常生活において重要な役割を果たしていました。鏡製造においては、素材選定が非常に重要で、特に銅や青銅などの金属が選ばれていました。これらの素材は、太陽神ラーの象徴として高く評価され、祈りや護符としても使用されました。また、エジプト人は鏡を用いて神聖な儀式を行い、死後の世界への導きとしての意味も持っていました。このような文化的背景は、鏡の製造技術とデザインに大きな影響を与え、金属鏡はその社会における地位や富の象徴ともなりました。これにより、鏡製造の技術は宗教的意義とも深く結びつき、エジプト文化の中で独自の進化を遂げました。

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こういう記述からは、

エジプトの青銅鏡の歴史は、中国と同じか、むしろそれ以前に発祥したと思われることが推測される。

だから、中国贔屓のDeepSeekが主張する中国起源説は、一方的なものではないかとの疑いが生じるのである。

◯Deep Seekについて

情報サイト「36Kr」の昨年半ばの記事に以下のインタビューが掲載されていた。

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中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)が開発した安価で高性能な人工知能(AI)モデルが注目を集めている。米国製をしのぐ性能で10分の1以下の費用でつくったとしており、その影響などについて議論も広がる。スタートアップ情報サイト「36Kr」は2024年7月にディープシーク創業者の梁文鋒氏にインタビューした。当時のインタビュー記事を日本語で掲載する。主な一問一答は以下の通り。

――(24年5月に発表した大規模言語モデルの)「ディープシークV2」が米シリコンバレーに衝撃を与えました。なぜだと考えますか?

「米国では、日々大量のイノベーションがごく普通に生まれている。その中で、ディープシークV2はとりたてて特別な存在ではない。彼らが驚いたのは、これが中国企業の手によって生まれたことだ。これまで追随するばかりだった中国企業が、今回はイノベーターとしてそのフィールドに参入したからだと思う」

――(ディープシークは)生み出したイノベーションをオープンソースとして公開しています。他社に流用されないでしょうか。どのように自社の競争優位性を形成していくのでしょうか。

「常識を打ち破る革新的な技術の前では、クローズドな環境で守られた競争優位性は一時的なものにすぎない。米オープンAIは今ソースコードを非公開にしたが、競合他社の追い上げを阻むことはできていない。我々はこうしたプロセスの中で成長し、多くのノウハウを蓄積することで、イノベーションを生み出せる組織や文化を形成していく。これこそが当社の強みと言える」

――AIモデルを開発する中国企業の多くが商業化などで模索を続けるなか、ディープシークがまず基礎研究に専念することにしたのはなぜですか。

「それは今、世界的なイノベーションの流れに乗ることが何よりも重要だと考えているからだ。中国企業はこれまで、誰かが発明した革新技術を応用して速やかに商品開発し、もうけを出すことを得意としていた。しかしこれだけが進むべき道だと考えてはいけない。我々の原点は短期的な利益を追求するのではなく、テクノロジーの最前線に立ってエコシステム全体の成長を推進することだ」

中国はイノベーション貢献する側に

――米国は「0から1」へと新たな技術を生み出すことに強みがあり、中国は技術を製品やサービスに応用して「1から10」にするスキルが優れていると言われます。

「中国はいつまでも他者の功績に便乗するのではなく、経済成長に伴って徐々にイノベーションに貢献する側に回らなければならない。過去30年以上にわたるIT(情報技術)化の波の中で、中国はイノベーションに身を投じるよりも、お金もうけに走ってきた。イノベーションは単なる(事業のために推進する)ビジネスドリブンによるものだけではなく、好奇心や創造意欲から生まれるものでもある」

――AIモデルの開発では、単に先端技術を持っているだけで絶対的な優位性を築けるわけではありません。今、ディープシークが追求したいものはいったい何ですか。

「我々は、中国のAI技術がいつまでも追随する立場にいるわけではないと考えている。よく『中国のAIは米国に1〜2年遅れている』と言われるが、2国間にある本質的なギャップは『オリジナル』と『模倣』という違いにある」

「米半導体大手のエヌビディアが今の地位を確立できたのは、単なる一企業の努力というより、西洋の技術コミュニティーや産業全体の努力が結実したからだ。中国のAIもこのようなエコシステムの形成が不可欠だ。中国で国産チップの開発がなかなか進まないのも、技術コミュニティーのサポートが不足しており、最新の情報が手に入らないからだ。だからこそ、中国でテクノロジーの最前線に立つ人が必要なのだ」

――資金調達の予定はありますか。親会社がディープシークの分離上場を計画していると報じたメディアもありました。

「短期的には資金調達の予定はない。我々にとっては、資金よりも米国による高性能チップの禁輸措置のほうが大きな問題だ」

――ディープシークは「桁外れの天才技術者たち」を雇っているとの声もあります。

「桁外れの天才技術者というわけではない。メンバーは中国国内のトップ大学(編集部注:北京大学・清華大学が多い)の新卒生のほか、博士後期課程の院生や卒業して間もない若者ばかりだ」

・「36Kr ジャパン」のサイトはこちら(https://36kr.jp/)

・中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/2872793466982535)

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◯DeepSeekと中国政府

ところで、DeepSeekの利用については、検索チャットのやりとりは、質問者のURL情報なども含めて、一括中国国内に置かれたサーバーに保存される事への同意を求められる。

ここで注意しなければならないのは、中国では国内法によって、在中国のIT企業の持つサーバーは、中京政府の;就中中国公安機関のアクセスを拒否できないことになっていることだ。

従って仮に「天安門事件とは?」などと聞いてみると、Deep Seek側で危険信号が灯り、こういう質問は親中派からとは思えないので、そのまま中国公安機関に、アクセスしている人間のURLも含むデジタル情報がスルーで渡されてしまう危険性があるということだ。そして(想像に過ぎないかもしれないが)その検索した人が、北京で行われるスポーツイベント観覧の為に入国しようとすると、広義のスパイ嫌疑者として、別室に連行される!という事も起こりかねないのだ。

またある人が、ディープシークのアプリに「中国共産党の長所と短所を教えて」とお願いしてみたところ、次のような反応が返ってくる。

→「現在、操作を完了できません。サポートにお問い合せください」

これについて、経営コンサルの小林啓倫氏はコメントする。

「中国では生成AIに対する規制により、サービスとして提供される生成AIにおいて、中国共産党の主義主張に反するような出力を行うことは許されない。したがって、市場で提供されている生成AI系サービスでは、何らかの形でフィルタリングやブロックが行われている。

この反応も、サービスを提供するシステムに不具合が生じたというより、質問自体がブロックされたと見るべきだろう(実際、別のプロンプトを入力してみるとすぐに通常通り答えてくれた)。

生成AIを実現するモデルには何らかの偏見が含まれるのが常とはいえ(欧米の生成AI系サービスでは欧米系文化の偏見が色濃く反映されているとの声も多い)、これほどあからさまな偏りがあっては、特に企業ではChatGPTなどの代替として使用するのは難しい。」

とは言え、政治的なニュアンスを含むものでなければ、拒否されないだろうし、「自分は、政治的にはニュートラルだから大丈夫」と思う人は、限界と偏見のあり得ることを前提に使ってみても良いだろう。

しかし先述のように、自分の質問と回答は、あなたの個人情報も含めてDeep Seekのサーバーに掬い上げられることは覚悟しておかなければならない。

目下アメリカでは、“どうやらDeep Seekが様々な複数の質問をChat GPT にして(GPUがGPUに対して質問するのだから、瞬時に数十問が並行処理される)その出力やGoogle検索などの結果から必要な情報を「蒸留」して回答にまとめているらしい”が、これはそれらのアプリやプラットホームの使用契約同意に違反しているとして、トランプ大統領に働きかけて、何らかの対抗措置を取ろうとしているようだ。

追記本日2025/01/31、ヨーロッパの各国が、DeepSeekには問題点があるとして、自国民に使用の制限を呼びかけたというニュースが入って来た。

「DeepSeek の実力と問題点」

目下、ネット上では(のみならず新聞紙上でも)DeepSeekというAI検索エンジンが話題をさらっている。

>>1月20日(日本時間)に登場した大規模言語モデル「DeepSeek-R1」に、AI開発者やユーザーたちが驚いている。中国のスタートアップDeepSeekが開発したこのモデルは、分野によっては米OpenAIの「o1」に匹敵するとうたう性能が特徴。モデルは無料でダウンロードも可能で、商用利用も認められている。

DeepSeek(ディープシーク) 起業家の梁文鋒氏が2023年に中国の浙江省杭州市で設立した。25年1月20日に発表した最新の生成AIモデル「R1」が、米オープンAIの「チャットGPT」など米国製をしのぐ高性能AIを10分の1以下の費用でつくったとして注目されている。梁氏はAI研究で知られる浙江大学出身。<<

新聞などでも、1月29日くらいから、Deep Seek関連ニュースを大きく取り上げている。

というのも、株式市場を襲ったディープショックの大きさが凄まじかったからだ。

>> エヌビディア(世界的半導体メーカー)はGPU市場の8~9割という圧倒的なシェアを手にしている。企業の時価総額で見ても、iPhoneで知られるアップルと世界一を争っていると言えば、その凄さがお分かりいただけるだろう。

そのエヌビディアを1月27日、大きな衝撃が襲った。同社の株価が1日で17%も下落したのである。時価総額にして、実に約5900億ドル(約92兆円)が1日にして失われてしまった計算になる。

なぜAI時代の根幹を担うと言っても過言ではないエヌビディアの評価が、これほど急速に下がってしまったのか。その答えは、今回の出来事に付けられた名前──「ディープ(シーク)・ショック」にある。<<

この影響で、アメリカのAIの開発企業に投資していたIT関連企業の株も連鎖暴落したのである。

以前私はChatGPTは、古代史研究にはまだまだ使えないことを論考したが、何とDeepSeekはそこそこ使えるという感触だ。

論より証拠、以下のチャット型検索を閲覧してほしい。

これを見ると、古代史研究会にも過去にさんざん話題になったテーマを、過去ログを参照もせずに、聞いてくる新入会員がいるが、そういう人なら、せいぜいDeepSeekでの回答レベルで十分だろう。いや期待水準以上であろう。→と言っても、決して私がDeep Seekを推奨しているわけではない。理由は後述する。

では実際の例を掲載しよう。

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Qは私の設定した問いかけ。Aはそれに対するDeep Seekの回答である。

◯青銅鏡の起源地について質問してみた

Q)古代に於ける青銅鏡の起源の地は、世界の何処の地域なのでしょうか?

中国説、中央アジア説、メソポタミア説、アナトリア説、エジプト説などがあるようですが。

A) 古代の青銅鏡の起源については、いくつかの説が存在しますが、最も有力なのは**中国説**です。

### 1. **中国説**

   - **根拠**: 中国では紀元前2000年頃の青銅器時代から青銅鏡が作られており、特に殷(商)時代(紀元前1600年頃~紀元前1046年頃)には高度な技術で青銅鏡が製造されていました。中国の青銅鏡はその後、東アジア全域に広がり、日本や朝鮮半島にも影響を与えました。

   - **考古学的証拠**: 中国の遺跡からは、世界最古の青銅鏡の一つとされるものが発見されており、これが青銅鏡の起源とされる重要な証拠となっています。

### 2. **中央アジア説**

   - 中央アジアでも青銅器文化が発展しており、青銅鏡の製造が行われた可能性がありますが、中国に比べると考古学的な証拠は少なく、起源地とするには不十分です。

### 3. **メソポタミア説**

   - メソポタミアは青銅器文化が早くから発展した地域ですが、青銅鏡の製造に関しては中国に比べて明確な証拠が少なく、起源地とする説は弱いです。

### 4. **アナトリア説**

   - アナトリア(現在のトルコ)も青銅器文化が栄えた地域ですが、青銅鏡の起源としては中国に比べて証拠が乏しいです。

### 5. **エジプト説**

   - エジプトでは青銅器が使用されていましたが、青銅鏡の製造に関しては中国に比べて明確な証拠が少なく、起源地とする説はあまり支持されていません。

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   - ※鈴木割り込み注釈)これはDeepSeekが中国製アプリであり、その事前学習文献も中国の物が多かったからか、情報が“中国贔屓”になっている。このエジプト起源説については、考古学的資料も多い。従って、DeepSeekの検索結果も割り引いて見なければならない!エジプト起源説についてはこの文末で、他の情報源からの情報を見直すことにする。

 --------------------------------------------

### 結論

現在の考古学的な証拠に基づくと、青銅鏡の起源は**中国**であるとする説が最も有力です。中国の青銅鏡は技術的にも文化的にも高度な発展を遂げ、その影響は東アジア全域に及びました。他の地域でも青銅鏡が作られていた可能性はありますが、起源地としての証拠は中国に比べて不十分です。

Q) 三星堆の青銅器文化の遺物にも青銅鏡がありますか?

A) 三星堆遺跡(中国四川省広漢市)は、紀元前12世紀から紀元前11世紀頃の古代蜀文明を代表する遺跡で、独特で高度な青銅器文化で知られています。三星堆からは多くの驚異的な青銅器が発見されていますが、**青銅鏡はほとんど見つかっていません**。

### 三星堆の青銅器文化の特徴

- **青銅製の仮面や立像**: 三星堆で最も有名なのは、巨大な青銅製の仮面や立像です。これらの仮面は非常に独特なデザインで、当時の宗教的または儀式的な役割を担っていたと考えられています。

- **青銅製の神樹**: 「青銅神樹」と呼ばれる精巧な青銅製の樹木も発見されており、古代の宇宙観や信仰を反映しているとされています。

- **その他の青銅器**: 武器や装飾品、祭祀用の道具なども多く出土しています。

### 青銅鏡の有無

- **青銅鏡の欠如**: 三星堆遺跡からは、中国の他の地域(例えば殷墟)で見られるような典型的な青銅鏡はほとんど発見されていません。これは、三星堆文化が他の中国の青銅器文化とは異なる独自の発展を遂げたことを示唆しています。

- **鏡状の遺物**: 一部の遺物は鏡のような形状をしているものの、これらは装飾品や祭祀用具としての役割が強く、実用的な鏡として使用された証拠はありません。

### 結論

三星堆の青銅器文化は非常に独特で、青銅鏡はほとんど見つかっていません。このことから、三星堆文化は青銅鏡を重要な道具として使用しなかったか、あるいは他の地域とは異なる文化的・技術的背景を持っていたと考えられます。青銅鏡の起源や発展については、中国の他の地域(特に中原地域)が主要な役割を果たしたとされています。

Q)古代中国の戦国時代の斉の国が青銅鏡製造の中心地の一つだという説を読みましたが、これは真実でしょうか?もしそうなら斉の地理的環境(原料の入手先があったとか精錬鍛冶集団の集住とかなど)の何がその理由でしょうか?

A) 古代中国の戦国時代(紀元前5世紀~紀元前3世紀)において、**斉**の国が青銅鏡製造の中心地の一つであったという説は、考古学的な証拠や歴史的な記録からある程度支持されています。斉は現在の山東省一帯に位置し、その地理的・経済的な条件が青銅鏡製造の発展に寄与したと考えられます。

### 斉が青銅鏡製造の中心地となった理由

1. **豊富な資源**:

   - **銅と錫の産地**: 青銅器の製造には銅と錫が必要ですが、斉の周辺地域にはこれらの鉱物資源が豊富でした。特に山東省は古代から銅の産地として知られており、青銅器製造に必要な原料を容易に調達できました。

   - **鉄資源**: 戦国時代には鉄器の使用も広がりましたが、斉は鉄の産地でもありました。鉄の精錬技術が発展していたことで、青銅器製造にも高度な技術が応用された可能性があります。

2. **技術集団の存在**:

   - **職人集団**: 斉には高度な技術を持つ職人集団が存在し、青銅器製造に特化した工房が発展していました。これらの職人たちは、青銅鏡の製造においても精巧な技術を駆使し、高品質な製品を生み出しました。

   - **技術の伝承と革新**: 斉は文化的にも経済的にも発展した地域であり、技術の伝承と革新が活発に行われていました。これにより、青銅鏡の製造技術もさらに洗練されていきました。

3. **交易と経済的繁栄**:

   - **海上交易**: 斉は渤海と黄海に面しており、海上交易が盛んでした。これにより、他の地域との交易が活発に行われ、青銅鏡などの製品が広く流通しました。

   - **経済的繁栄**: 斉は戦国時代において経済的に非常に繁栄しており、手工業や商業が発展していました。この経済的基盤が、青銅鏡製造の中心地としての地位を支えました。

4. **文化的要因**:

   - **文化的中心地**: 斉は文化的にも重要な地域であり、学問や芸術が発展していました。青銅鏡は単なる実用品ではなく、宗教的・儀式的な意味合いも強かったため、文化的な背景が製造を促進したと考えられます。

### 結論

斉が青銅鏡製造の中心地の一つであったという説は、その地理的環境や経済的・文化的条件から十分に裏付けられます。豊富な資源、高度な技術を持つ職人集団、海上交易による経済的繁栄、そして文化的な背景が、斉を青銅鏡製造の中心地として発展させた主要な要因でした。

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以上の経過を見れば、DeepSeekの実力は、確かに侮り難いと思える。

批判精神を持たないと、うっかりこの記述を鵜呑みにしてしまいかねない。

青銅鏡の起源については、中国発祥説は、未確定なのである。そこのところをこれから検証してみたい。

疑問を感じたのは、過去に私がベネチュアに旅した時に、ベネチュアングラスに関わって、ガラスの鏡に先行する青銅鏡の起源についての説明ガイドを読んでいたからである。

◯青銅鏡のエジプト起源説

Wikipediaの銅鏡についての記述ではニュートラルな記述となっている。

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古代中国に起源をもち、日本や朝鮮など東アジアで広く使用された。古代エジプトにおいても、青銅製の鏡を用いた事例がある。

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ネット上には次のような記事も見られる。

最初は鏡の販売を行なっている某商店のものだ。

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【鏡の歴史】

https://maison-du-marche.com/topics/12691/

ヨーロッパにおける鏡の起源は正確には明らかではありません。

金属器時代の初めにオリエント地域で製作が始められたとされています。

現存する金属鏡で最も古いものは、

エジプトの第6王朝(紀元前2800年)の鏡があります。

金属種は、銅を主体とした合金で銅鏡と呼ばれています。現在の手鏡によく似た形をしています。

古代の鏡は黒曜石や金、銀、水晶、銅、青銅などの原板を研磨して反射面としたもので、ほとんどが化粧用でした。

エジプトでは紀元前3000年ごろから、女性はすでにアイシャドーやアイライン、頬(ほお)紅、口紅などの化粧をしていました。

古王国時代の墳墓からも整った鏡が発掘され、第11王朝の浮彫りには、柄鏡(えかがみ)を手にした王女が描かれています。

その多くは鏡面の丸い柄鏡で、板の部分は金属、木、象牙(ぞうげ)などでつくられ、神像、人物像、動物、パピルスやロータスなどのナイルの植物でかたどられています。

ローマ時代の鏡は豪華な装飾を施した鏡が多く、壁画からも女性たちがそうした手鏡を用いたことが描かれています。

上流社会では銀製の鏡もみられるが、これは容姿を映すという機能に加えて、財産的価値も求められていたことを示すものでした。

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柄付き鏡(柄鏡)はヨーロッパで一般的な形状であり、中国や日本のように鏡台に据えたり紐で吊るしたりするのは一般的ではなく、後には大きい物は壁に固定する形のものが主流となったようだ。

また、鏡(ガラス製)の製造業者のWEBサイトには以下のような詳しい記述があった。

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日建工業

https://italian-mirror.co.jp/column/detail/20240918090210/

☆鏡製造技術の起源と古代エジプトの影響

鏡製造技術の起源を辿ると、古代エジプトがその一つの発祥地であることがわかります。エジプトの技術は、その後の古代文明に大きな影響を与えました。彼らは金属を用いた鏡を初めて量産したことで知られています。この時代における鏡製造の技術は、後のギリシャやローマへと伝播し、鏡の製造方法に革新をもたらしました。特に、エジプトの高度な金属加工技術は、他の地域でも応用され、その美しさや機能性が評価されました。この影響は、やがてガラスを使った鏡の登場に繋がり、今日の鏡製造の基礎となっています。

☆金属鏡の製造技法とその発展

古代における鏡製造は、金属素材を磨くことから始まりました。特に銅や青銅が主要な素材として用いられ、その表面を丁寧に磨き上げることで反射面を作り出していました。この製法は、金属の硬度や光沢を活かし、耐久性のある鏡を生み出しました。時代が進むにつれ、技術革新により金属鏡の製造方法も進化し、装飾技術が加わることで、より美しい製品へと発展していきました。このように、金属鏡の製造技術は単なる実用性を超え、装飾品としても重要な役割を果たすようになったのです。さらに、この技術の進化は、後にガラス鏡の製造技術にも影響を与えることとなり、新たな素材や技法の探求を促進しました。

☆古代エジプトの鏡製造に見る文化的背景

古代エジプトでは、鏡は単なる実用品を超え、宗教的儀式や日常生活において重要な役割を果たしていました。鏡製造においては、素材選定が非常に重要で、特に銅や青銅などの金属が選ばれていました。これらの素材は、太陽神ラーの象徴として高く評価され、祈りや護符としても使用されました。また、エジプト人は鏡を用いて神聖な儀式を行い、死後の世界への導きとしての意味も持っていました。このような文化的背景は、鏡の製造技術とデザインに大きな影響を与え、金属鏡はその社会における地位や富の象徴ともなりました。これにより、鏡製造の技術は宗教的意義とも深く結びつき、エジプト文化の中で独自の進化を遂げました。

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こういう記述からは、

エジプトの青銅鏡の歴史は、中国と同じか、むしろそれ以前に発祥したと思われることが推測される。

だから、中国贔屓のDeepSeekが主張する中国起源説は、一方的なものではないかとの疑いが生じるのである。

◯Deep Seekについて

情報サイト「36Kr」の昨年半ばの記事に以下のインタビューが掲載されていた。

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中国の新興企業DeepSeek(ディープシーク)が開発した安価で高性能な人工知能(AI)モデルが注目を集めている。米国製をしのぐ性能で10分の1以下の費用でつくったとしており、その影響などについて議論も広がる。スタートアップ情報サイト「36Kr」は2024年7月にディープシーク創業者の梁文鋒氏にインタビューした。当時のインタビュー記事を日本語で掲載する。主な一問一答は以下の通り。

――(24年5月に発表した大規模言語モデルの)「ディープシークV2」が米シリコンバレーに衝撃を与えました。なぜだと考えますか?

「米国では、日々大量のイノベーションがごく普通に生まれている。その中で、ディープシークV2はとりたてて特別な存在ではない。彼らが驚いたのは、これが中国企業の手によって生まれたことだ。これまで追随するばかりだった中国企業が、今回はイノベーターとしてそのフィールドに参入したからだと思う」

――(ディープシークは)生み出したイノベーションをオープンソースとして公開しています。他社に流用されないでしょうか。どのように自社の競争優位性を形成していくのでしょうか。

「常識を打ち破る革新的な技術の前では、クローズドな環境で守られた競争優位性は一時的なものにすぎない。米オープンAIは今ソースコードを非公開にしたが、競合他社の追い上げを阻むことはできていない。我々はこうしたプロセスの中で成長し、多くのノウハウを蓄積することで、イノベーションを生み出せる組織や文化を形成していく。これこそが当社の強みと言える」

――AIモデルを開発する中国企業の多くが商業化などで模索を続けるなか、ディープシークがまず基礎研究に専念することにしたのはなぜですか。

「それは今、世界的なイノベーションの流れに乗ることが何よりも重要だと考えているからだ。中国企業はこれまで、誰かが発明した革新技術を応用して速やかに商品開発し、もうけを出すことを得意としていた。しかしこれだけが進むべき道だと考えてはいけない。我々の原点は短期的な利益を追求するのではなく、テクノロジーの最前線に立ってエコシステム全体の成長を推進することだ」

中国はイノベーション貢献する側に

――米国は「0から1」へと新たな技術を生み出すことに強みがあり、中国は技術を製品やサービスに応用して「1から10」にするスキルが優れていると言われます。

「中国はいつまでも他者の功績に便乗するのではなく、経済成長に伴って徐々にイノベーションに貢献する側に回らなければならない。過去30年以上にわたるIT(情報技術)化の波の中で、中国はイノベーションに身を投じるよりも、お金もうけに走ってきた。イノベーションは単なる(事業のために推進する)ビジネスドリブンによるものだけではなく、好奇心や創造意欲から生まれるものでもある」

――AIモデルの開発では、単に先端技術を持っているだけで絶対的な優位性を築けるわけではありません。今、ディープシークが追求したいものはいったい何ですか。

「我々は、中国のAI技術がいつまでも追随する立場にいるわけではないと考えている。よく『中国のAIは米国に1〜2年遅れている』と言われるが、2国間にある本質的なギャップは『オリジナル』と『模倣』という違いにある」

「米半導体大手のエヌビディアが今の地位を確立できたのは、単なる一企業の努力というより、西洋の技術コミュニティーや産業全体の努力が結実したからだ。中国のAIもこのようなエコシステムの形成が不可欠だ。中国で国産チップの開発がなかなか進まないのも、技術コミュニティーのサポートが不足しており、最新の情報が手に入らないからだ。だからこそ、中国でテクノロジーの最前線に立つ人が必要なのだ」

――資金調達の予定はありますか。親会社がディープシークの分離上場を計画していると報じたメディアもありました。

「短期的には資金調達の予定はない。我々にとっては、資金よりも米国による高性能チップの禁輸措置のほうが大きな問題だ」

――ディープシークは「桁外れの天才技術者たち」を雇っているとの声もあります。

「桁外れの天才技術者というわけではない。メンバーは中国国内のトップ大学(編集部注:北京大学・清華大学が多い)の新卒生のほか、博士後期課程の院生や卒業して間もない若者ばかりだ」

・「36Kr ジャパン」のサイトはこちら(https://36kr.jp/)

・中国語原文はこちら(https://36kr.com/p/2872793466982535)

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◯DeepSeekと中国政府

ところで、DeepSeekの利用については、検索チャットのやりとりは、質問者のURL情報なども含めて、一括中国国内に置かれたサーバーに保存される事への同意を求められる。

ここで注意しなければならないのは、中国では国内法によって、在中国のIT企業の持つサーバーは、中京政府の;就中中国公安機関のアクセスを拒否できないことになっていることだ。

従って仮に「天安門事件とは?」などと聞いてみると、Deep Seek側で危険信号が灯り、こういう質問は親中派からとは思えないので、そのまま中国公安機関に、アクセスしている人間のURLも含むデジタル情報がスルーで渡されてしまう危険性があるということだ。そして(想像に過ぎないかもしれないが)その検索した人が、北京で行われるスポーツイベント観覧の為に入国しようとすると、広義のスパイ嫌疑者として、別室に連行される!という事も起こりかねないのだ。

またある人が、ディープシークのアプリに「中国共産党の長所と短所を教えて」とお願いしてみたところ、次のような反応が返ってくる。

→「現在、操作を完了できません。サポートにお問い合せください」

これについて、経営コンサルの小林啓倫氏はコメントする。

「中国では生成AIに対する規制により、サービスとして提供される生成AIにおいて、中国共産党の主義主張に反するような出力を行うことは許されない。したがって、市場で提供されている生成AI系サービスでは、何らかの形でフィルタリングやブロックが行われている。

この反応も、サービスを提供するシステムに不具合が生じたというより、質問自体がブロックされたと見るべきだろう(実際、別のプロンプトを入力してみるとすぐに通常通り答えてくれた)。

生成AIを実現するモデルには何らかの偏見が含まれるのが常とはいえ(欧米の生成AI系サービスでは欧米系文化の偏見が色濃く反映されているとの声も多い)、これほどあからさまな偏りがあっては、特に企業ではChatGPTなどの代替として使用するのは難しい。」

とは言え、政治的なニュアンスを含むものでなければ、拒否されないだろうし、「自分は、政治的にはニュートラルだから大丈夫」と思う人は、限界と偏見のあり得ることを前提に使ってみても良いだろう。

しかし先述のように、自分の質問と回答は、あなたの個人情報も含めてDeep Seekのサーバーに掬い上げられることは覚悟しておかなければならない。

目下アメリカでは、“どうやらDeep Seekが様々な複数の質問をChat GPT にして(GPUがGPUに対して質問するのだから、瞬時に数十問が並行処理される)その出力やGoogle検索などの結果から必要な情報を「蒸留」して回答にまとめているらしい”が、これはそれらのアプリやプラットホームの使用契約同意に違反しているとして、トランプ大統領に働きかけて、何らかの対抗措置を取ろうとしているようだ。

追記)本日2025/01/31、ヨーロッパの各国が、“DeepSeekには問題点があるとして、自国民に使用の制限を呼びかけた”というニュースが入って来た。

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